色の記憶、こんな間違いしてませんか?

あなたの彼、彼女、友達が、前回会った時の服の色は何色でしたか?
赤、オレンジ、青、黄色・・・
もし、そんな色を思い浮かべた方がいらっしゃいますか。


こんにちは。空間デザイン心理士®プロ、一級建築士の高原美由紀です。
今回は人間の色の記憶のあいまいさについてお話しします。

目次

覚えている色は正しいの?

人の記憶には3つの段階があります。
まず、何となく、とりあえず保持するための感覚記憶、
つぎに、意味ある情報と選択されたものは短期記憶に送られ、
そして、それが長期に渡って貯蔵される領域が長期記憶という3段階です。

長期記憶に貯蔵された色の記憶を記憶色と呼びます。
バナナは黄色、植物は緑色、イチゴは赤といったように、慣れ親しんだ物の色おおまかに記憶しています。一般的に思い浮かべる典型的な色ですね。

実は、記憶されている色は、実際の色よりも明るくて鮮やか(高明度、高彩度)で、純度の高い色として記憶する傾向があるのです。
その理由は、短期記憶から長期記憶に情報が送られる際に、その物の特徴となる色のイメージがより強まっているからと考えられています。

だから、実際の色は、あなたが思っているとは違っていることになります。
例えば、オレンジ色がかった黄色は鮮やかな黄色に、青みがかった緑は鮮やかな緑として純粋な色彩として記憶されるということです。


刑事ドラマなどで、事件の現場に居合わせた方が、犯人について話す時、「青い服を着た〇〇才ぐらいの男性」という表現をしますよね。
この青い服は、実は、青ではなく、もう少し暗い紺色やネイビー色かもしれないのです。

人間の記憶はあいまいなものですね。

色の記憶、男女の違いはある?

「この間着ていた赤い服、とっても似合っていたよ。」

「私、赤い服なんて持ってないよ!違う女の子のことじゃない?」

「いや、赤いワンピースだよ、こないだのデートの時の・・・」


こんな男女の会話のすれ違いが生まれるのは、一つには先ほど書いた、彼女の服の色が実際の色より鮮やかに記憶されているからと考えられます。


では、こんなご経験ありますか。

「あのこないだ見た青い服を買おうかと思ってるんだ。」

「え?青い服ってどの服?○○のセーターのこと?それともジャケット??」

「ちがうよ、青いシャツだよ」

「え?あれ、青じゃなくて紺色だったよね?」

「そうだったけ・・・青じゃなかったかな・・・。もう一回、店に行ってみてくる」

こんな行き違いが起こる理由は、男性よりも女性の方が色の記憶が正確だからなのです。

女性の方が一般的に色に敏感ということですね。

男性諸君、赤い服と思っていた色は、実は、赤より暗いエンジ色で、青と思っていたのは、実は紺色かも知れませんよ!

色選びはご注意を!

こんな風に、色の記憶はあいまいなのです。

だから、クライアントの方が、どこかで見たインテリアやソファの色や、お好みの色をお話くださった時には、その方の記憶の色がどんな色なのか、必ず色サンプルを見ながら一緒に確認することにしています。

インテリアコーディネーターや建築士に色彩を伝える時には、必ず色サンプルをご用意いただいてくださいね。

思い込みで話を進めて、こんなはずじゃなかった!ということのないように。


次回は、色の見え方の男女の違い
やその理由について書きますね。

空間を通して、世界に愛と輝きを。
幸せは、いつも、今、ここから。


高原美由紀


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