テレワーク時代の快適な自宅オフィスの作り方

空間デザイン心理士®プロの高原美由紀です。
コロナウイルスの流行で、多くの人がテレワークされていますよね。
あなたは、家のどこで仕事されていますか?
とりあえず、ダイニングテーブルで仕事をしているとか、リビングの一角で仕事をしているという方も多いでしょう。
でも、なんだか集中できない・・・と思われていませんか?

そんな方へ、仕事の効率がアップできてストレスも減る、自宅オフィスの整え方についてお伝えします。


目次

どこを自宅オフィスにすれば良い?

現在の自宅オフィスは「とりあえず、リビングの片隅でいいや」と慌てて設けた場所かもしれません。
でも、テレワークで家で仕事をして過ごす時間は、家で過ごす時間の中で、一日の内で最も長い時間となっているのではないでしょうか。きっと、睡眠時間よりも長く過ごされている方が多いのではないかと思います。


それなら、仕事をする時間をもっと満足度が高まる時間にすることで、日々の充実感やストレスが変わってくることでしょう。だから、「どこで仕事したら最も快適に仕事ができるか?」を改めて見直してみませんか。
もしかしたら、他に適切な場所が見つかるかもしれませんよ。


では、どう場所を選んだら、ストレスなく仕事できるでしょうか。

場所選びの前に、まず自分がどんなことに気が散りやすいかを見極めることが大切です。

まずは、自分のタイプを知ろう!あなたは何タイプ?

あなたは、スタバやカフェで勉強や仕事をする時、集中できますか?
勉強や読書、仕事中に音楽を聴いていますか。 それとも、カフェや他の人の話す声が気になったり、集中できず、図書館の自習室や一人の部屋での作業の方が集中できますか?

スタバなどで集中して作業できる人、音楽を聴きながら勉強や読書、仕事に集中できる方はスクリーナータイプです。
一方、図書館や自習室の作業の方が集中できるという方は、ノンスクリーナータイプです。

Winstein(1978)が行った調査では、ノンスクリーナーは大学の寮に入った後に成績が定価し、日々の生活にストレスを抱えることが多いという結果が出ています。 もし、あなたがノンスクリーナーなら、仕事の場所選びを慎重に行ってください。家族の誰かがノンスクリーナーでしたら、その方の居場所を最優先に考えてあげましょう。

家族それぞれ集中できる環境が違いますので、その人に合った場所選びが必要ですね。

あなたに合う場所を見つけよう!

スクリーナーは、静かで一人になれる場所よりも、多少騒がしい環境の方が集中できる、作業効率が上がる、または、騒がしい場所でも集中力や作業効率が変わらないという人です。 スクリーナーはそのため、家族が過ごすダイニングテーブルやリビングの一角に自宅オフィスを設けると良いでしょう。

考えるべきは、ノンスクリーナータイプの方です。 ノンスクリーナーは、家族が過ごすリビングダイニングに仕事場を設けても集中できません。家族の中にノンスクリーナータイプの人がいる場合、「ノンスクリーナーの仕事場をどこにするか?」を最初に考えましょう。 小さなスペースでも良いので、家の中に一人になれる場所が必要です。 もし、一人になれる静かな場所が得られなければ、周りに人や音にイライラするだけでなく、仕事をしている間に、どんどんストレスが大きく溜まって行ってしまいます。

寝室は、落ち着いた環境であることが多いので、個室を持つことがむずかしい時は、寝室の一角に設けられるか考えてみてください。

もし、場所がリビングの一角しかない場合、デスク周りを囲うことができる、仕切りを設けることを考えます。できれば、 仕切りは、座った時に頭が隠れるくらいの高さがほしいです。 高さは、デスク上から60㎝はほしいところ、できれば70㎝くらい。床からだと130~140㎝くらいです。

仕切りはどうする?

オンライン会議を行うとなると、家族やペットが発する音や、こちらの会話の音がきになりますね。
そんな時、リフォームまでは予算的にむずかしくて個室にできないという場合の音対策として、 下記が考えられます。 

・防音カーテンをかける
・パーティションに吸音材を貼る
・本棚などの家具をパーティションに活用する
・簡易パーティション(突っ張り棒など)を設ける
・防音のテントを活用する

今は、色々な簡易的な商品が出ていますので、調べてみてくださいね。

お部屋にデスクを置く余裕がない場合は、納戸や押し入れなどの小さなスペースの活用も選択肢に入れてみましょう。

中にある荷物は倉庫に預けたとしても、ノンスクリーナーの方には長い時間過ごす自宅オフィスを整えることをおすすめです。
段ボール1箱で300円/月程度で保管してくれるサービスなどを利用することも選択肢に入れてみてくださいね。段ボール20箱で月6000円。作業効率がUPしてストレスが減ることによるメリットに比べたら、倉庫の活用も有効かもしれません。

デスクはどこに配置するのが良い?

デスクの配置は、部屋のコーナー部分に壁に向けて置きましょう。
デスクを壁に向かうように配置するだけでも、気が散る余計な情報をシャットアウトできます。
可能なら、ぜひ、窓辺に! その理由は、まず、日中、窓から入る光で明るさが取れることで、仕事中の満足感が高まるからです。 そして、窓の外に目をやった時に視線が遠くに抜けるとストレスの軽減になります。視線の先に緑の木々や自然の風景があるなら、なおさらストレス軽減になり、効率UPします。逆に、外が見えない場所での長時間の作業は、ストレスになりますので、時々、席を立ったりして、外を眺めたりしてくださいね。

そして、 窓は開けて自然の風を入れましょう。夏の暑い時期は、窓を開けるのが難しいかもしれませんが、自然の風がある方が、作業効率が高まりるという調査結果もあります。コロナ対策で窓を開けていることが、実は、作業効率という面で、仕事にプラスに働いているのです。

部屋にデスクを置く場所がないなら・・・

納戸や押し入れなどの小さなスペースの活用も選択肢に入れてみましょう。
自宅に入りきらなくなった荷物を預かってくれるサービスもありますね。段ボール1箱300円/月程度で保管してくれるところもありますので。ノンスクリーナーの方には長い時間過ごす自宅オフィスを整えることをおすすめです。段ボール20箱で月6000円。作業効率がUPしてストレスが減ることによるメリットに比べたら、倉庫の活用も有意義な選択肢かもしれません。

さあ、必要な家具を買おう!

1. デスクの素材や色のおすすめは?
場所が決まって、デスクを買うなら、デスクの作業面の素材が天然の木のものをおすすめします。 理由は「仕事の効率がUPするインテリアと照明って?」でも書きましたが、ストレスを軽減して疲れにくくなるからです。(詳しくは、上記ページへ) 

おすすめしないのは、デスクの作業面(天板)が黒い色のデスクです。明るいパソコン画面を見ながら、視界に黒い色のデスクが常に入っていると、目がとても疲れてしまうのです。 恰好良くて人気はあるのですが・・・、明るいパソコン画面と黒い色は、目が疲れる組み合わせなのです。 また、白いツヤツヤした素材も光の反射で目が疲れるのでおすすめしません。 目が疲れにくくて、体の緊張がほぐれるナチュラル素材で色もナチュラルなものです。


デスクの奥行きは50㎝以上、70㎝くらい。 巾は最低90㎝、できればもっと長く。巾がある方が、資料を広げた時にストレスになりません。 デスク面に余白があることで、気持ちのゆとりも生まれます。 高さは、椅子との関係で決めます。椅子の座面(お尻の下の面)から27~30㎝の高さが良いです。テーブルに載せた腕が直角になるような高さです。 大人ならだいたい70~72㎝になると思います。

2. 椅子はどうする?
そして、家具を買う時、最も予算をかけたいのは、なんといっても椅子です!
もし、お気に入りの椅子や体にフィットする椅子があれば、それでOKです。これから探されるなら、人間工学(エルゴノミクス)に基づいてデザインされたもので、その人に合わせて、細かな調節ができる椅子がおすすめです。

本来、人の体は立った姿勢の方が自然な状態なのです。体調の不調は座ることで起きているといわれています。 人間工学に基づいて考えられた椅子は、上体が立った姿勢に近づくように設計されています。 そのため、良い姿勢を維持することで腰痛や肩こりになりにくくなります。体に負担が少なくないため、長時間座っても疲れにくいのです。

また、人は姿勢によって、気持ちが変化します。 ためしに、腰と背を曲げて、椅子にだらりと腰かけてみてください。 やる気でますでしょうか。
腰と背中が曲がることで、やる気はなくなり、気持ちが落ち込んでしまいます。 だらしない座り方で座っていることで、脳の認識能力に影響がでることもわかっています。 その姿勢を長く続け習慣化してしまうと、心にも体にも、仕事の成果にも大きな影響を及ぼすのです。

椅子の高さは、テーブルとの関係で決まりますが、もし、座った状態で足がしっかりと床に着かない場合は、足置きの台を設けましょう。


●人間工学に基づいた椅子たちにはこんなのがあります。
アーロンチェア/ハーマンミラー社
エルゴヒューマン/エルゴヒューマン社
 ・コンテッサ/岡村製作所

まとめ

快適な自宅オフィスを作るには、
・まず、自分がどんな場所で集中できるかの特徴を知る。
 スクリーナーなら、リビングやダイニングで。 ノンスクリーナーは、パーティションなどを活用して一人になれる場所を作る。
・デスクの配置は、壁に向かうか窓際がおすすめ。
・デスクや椅子は、ストレスを減らせるものにこだわりましょう!

参考文献
Weinstein,N. D. : Individual differences in reactions to noise : A longitudinal study in a college dormitory. Journal of Applied Psychology, 63(4), 458-466, 1978

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