お店の配置はどうするのが正解?つい買ってしまう店舗レイアウトとは?

こんにちは。空間デザイン心理士®プロの高原美由紀です。

あなたは、スーパーやドラッグストアで、つい、買い物しすぎてしまった!という経験ありませんか。

ふだん何気なく買い物しているようでも、買い物しやすいお店と、そうでないお店がありませんか。

実は、プロがデザインした売り場は、買い物のしやすさや居心地のよさなど、人の心理と行動にこだわってお店作りをしています。

そんな、店内レイアウトのヒントやコツをお伝えします!

目次

つい買ってしまうレイアウトは左回りが基本!

あなたは、スーパーに行くと、最初にカゴに入れるのは何でしょうか。
お酒?肉?果物・・・
たぶん、多くの方は、野菜ではないでしょうか。

では次は?

果物を見て・・・魚やお肉のコーナーへ。
そして、卵や乳製品、途中、もうすぐなくなりそうな醤油やドレッシングを取りに行き、最後にお惣菜やパンを駕籠に入れてレジへ……

このような流れになっていませんか。

では、 コンビニではどうでしょうか。
最初に、おにぎりやサンドイッチ、お弁当、そして飲み物のコーナーへ。


スーパーやコンビニのレイアウトは、どこも同じような配置で似ていますね。
それも、多くの店舗が左回りに商品を配置していることに気付きます。
これは、人が動く時に「左回りの方が歩きやすい」と感じる人の「左回りの法則」によるものです。


スーパーのレイアウトだけでなく、野球のベースや学校のトラックも左回りですよね。
人は左回りの方が自然な理由は、いくつか考えられます。


一つには、多くの人の利き足が、右足であるため、左に回る方が進みやすいからだといわれています。
(左足を軸足として、右側でボールを蹴る場合、利き足が右足と考えます。)


また、人の脳の右脳と左脳の仕組みによるものだと考えられます。


 右脳は、視界の左側に見えるもの、左脳は右側に見えるものを主に担当して処理しています。 そして、右脳は、左脳よりも感覚的に空間を把握することが得意です。
つまり、左回りによって、左側の空間にあるものに注意を向けながら感覚的に空間を把握して進めるため自然です。
そして、「好き!」「ほしい!食べたい!」といった感覚で、つい買ってしまうというわけです。

 さらに、右利きの人の方が多いため、店舗のレイアウトを左回りに配置することで、商品棚が右手側になるため、より商品を手に取ってもらいやすくなるというメリットがあります。


もし、経営されているお店の配置やディスプレイが右回りになっているなら、左回りに変えてみてください。 売上がアップにつながるかもしれませんよ!
逆に、「買い物へ行くとつい買い過ぎてしまう……」 「無駄遣いを減らして節約したい」 という場合は、あえて右回りに回って、買い物をされてみてくださいね。

有名テーマパークにもある!意外な配慮

左回りの法則は、あの有名テーマパークでも使われています。
東京ディズニーランドも、さまざまな人の心理を考えてデザインされています。
そのうちの一つが、パーク内での人の回り方です。

「でも……ディズニーランドへ行くと、右回りに歩いている気がする」 そう思った方は大正解!
実は、ディズニーランドの順路は混雑を避けるため、あえて右回りになっています。

ディズニーランドでは、入り口を入って左手側が過去をイメージしたエリア、右手側が未来をイメージしたエリアになっています。
人は過去から未来へとイメージする方が自然なので、過去をイメージしたアトラクションのある左側へ足が動いて、その結果、右回りに回ります。
もちろん、左回りに回る人も一定数いるため、混雑を避けられるようにしているのです。

この考え方は、緊急時の避難でも活用されています。
人が、無意識に左回りに回ることを利用して避難口を設ければ、混乱を避けやすくなりますね!

ドキドキ感を得るならあえて右回りで

ディズニーランドのアトラクション一つ一つをみてみると、左回りのもの、右回りのものがあることに気付きます。
ディズニーランドには、乗り物に乗って、仕掛けを楽しむタイプのアトラクションが多くありますよね。
空飛ぶダンボやイッツアスモールワールドといったのんびり癒し系は左回り。
逆に、ホーンテッドマンションは右回りです。
右回りは、ふだんの自然な行動とは反対回りなので、なんとなく違和感がするものです。
それを利用して、普段とは違うスリル感やドキドキ感を味わえるようにしているのです。



このように、取り扱う商品やサービスが、一般的なアイテムではなく、ちょっと変わったものだったり、来店した人をドキドキワクワクさせたかったり、という場合は、あえて右回りで案内するという手段も有効です。


左回り、右回りだけで、こんな風に人の気持ちや行動が変わるって面白いですね。 テーマパークや観光へ出かける際には、マップの順路や店内の配置に注目してみましょう。
これまで知らなかった、様々なこだわりに出会えるはずです。 「レイアウトは左回り!」 と決めつけてしまうのではなく、売りたいもの、提供したいサービスに合わせた導線を考えましょう。

まとめ

人の行動の左回りと右回りの考え方、 お分かり頂けましたでしょうか?
自然な動きで安心感を与えたいなら左回り。
非日常的なドキドキワクワクを与えたいなら右回り。
あなたやクライアントのお店は、お客様にどう感じさせたいかで、最適なレイアウトをみつけてくださいね。

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