インテリアコーディネーターが学ぶべきこと

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三島俊介氏の新刊『30年ファンが逃げない仕事』 に高原美由紀が寄稿させていただきました

インテリアコーディネーターという資格発足当時から、その発展に大きな寄与をされていらした三島俊介氏の書籍 『30年ファンが逃げない仕事』 に、現役プロの声として、本協会代表理事・高原美由紀のメッセージをご掲載いただきました。


少し前に、 三島俊介先生から、「これからのインテリアコーディネータが学ぶべきことや、自分の経験などについて寄稿してほしい」とご依頼をいただきました。とてもありがたいお話でしたので、これからのインテリアコーディネーターが学ぶべきことについて、常に考えていることをお伝えさせていただくことにしました。

建築・インテリアの実務に必要なのは、心理学などの人間科学です

私自身の過去の失敗と反省の経験から、建築やインテリアの計画をするには、建物やインテリアといったモノのことだけでなく、それを実際に使う人間のことをもっと 良くを知ることが必要だと痛感しました。 空間を作るには、心理学、脳科学、生態学、行動学、進化心理学など、人間についての学問全般の幅広い知識が必要です。いってみれば、人間科学的な知識が必要だといえるでしょう。
幸せとは、心が満たされることなので、住まいを作る私たちが、人の心理について知らずして、しあわせな空間が作れるはずがありません。

今ある建築・インテリア系の大学や専門学校では、そういうことを専門的に建築的な視点で教えてくれるところがありません。
ですから、何十年もかけて自力で学び、 心理学、脳科学、生態学をはじめとした人間科学を 建築・インテリアの実務に使えるようにまとめて、空間デザイン心理学®という領域を作りました。

この本への原稿には、そんないきさつと思いを書かせていただき、4ページに渡りご採用いただいております。

インテリア業界の歴史と特異性

また、三島俊介先生が書かれたこの本には、インテリア業界の歴史と特異性が書かれています。「インテリア業界が建築業界や家具業界とどう違うか?」について、これまで真剣に考えたことがなかったので、この本を拝読して、大変勉強になりました。インテリア業界で働く者のむずかしさは、業界の特異性にあることを改めて知りました。

顧客のニーズをくみとるのがインテリアコーディネーター

三島俊介先生は、書籍のなかで「顧客のニーズをくみとるのがインテリアコーディネーター」だということをおっしゃられています。
おっしゃる通り、顧客のニーズをくみとれて初めてお客様にご満足いただけるわけです。でも、ニーズを本当に把握するのは非常に難しく、そんなに簡単にはいきません。

たとえばお客様が「モダンなインテリアにしたい」とか「ウッドデッキがほしい」とおっしゃられたとして、そのご要望を満たしたら、必ずお客様が幸せになるかというと、そうではありません。

昔、顧客のニーズを引き出す力を持っていなかった私は、お客様のご要望を叶えても、必ずしもお客様が幸せになるわけでないというショッキングな場面をみてきました。

だからこそ、顧客のニーズを的確につかむスキルが、私たちに必要なのです。

すべての人に学んでほしい「LDNメソッド®」

顧客ニーズを引き出して視覚化し「ニーズ診断書」を作成できるのが、空間デザイン心理学®のひとつのメソッドである「LDNメソッド®」です。本人が気づいていないニーズを短時間で的確に引き出して、視覚化することができます。このスキルを身につけられたら、 ほんとうに、 お客様に喜んでいただける仕事ができ、ご自身も充実感をもって仕事の喜びや誇りを感じられると思います。

インテリアコーディネーターを目指す方だけでなく、お客様や部下、子どものニーズを引き出して、その人の幸せに貢献したいすべての人に、ぜひ知ってほしいです。


この本には、私の他に19名のプロの貴重な力強い体験談が掲載されています。インテリアコーディネーターの方に是非お読みいただきたい一冊です。


本のご購入は、Amazonまたは、こちらへ
(株)かもす出版 『30年ファンが逃げない仕事

このような機会をいただきましたこと、著者の三島俊介先生に、心より感謝申し上げます。



画像引用:三島俊介:30年ファンが逃げない仕事,とりい書房,2022

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