女性と男性、見える色が違う!
桜が待ち遠しい季節となりました。女性の方、明るい色の服が気になっていませんか。ニュアンスのあるピンクや薄い黄緑、水色の服など、この時期は微妙な春色の服がショップに並びますね。
では、男性の服はどうでしょう。 男性の場合、女性よりも赤や青といったはっきした色の服が多いと思いませんか。女性の服の方がニュアンスのある色のバリエーションが多いですよね。
この理由は、女性と男性では色の感度が違うからなのです。
こんにちは、空間デザイン心理学®創始者の高原美由紀です。
前回は色の記憶が男女で差があることについてお話ししました。今回は男女の色の見え方の違いについてお話します。
どうして、女性の服は微妙な色が多く、男性の服ははっきりした色の服が多いのでしょうか。その答えは、はるか昔、私たちの祖先の女性は木の実を採り、男性は狩猟をしていたから・・・。
狩猟を行う男性にとって、獲物を捕まえるには、動く獲物を素早く見つけることが重要になります。
そのためには、微細な色を見分けることに脳を使うよりも、色を大雑把にとらえて動いている獲物に素早く反応できた方が有利になります。
男性が獲物を捕まえに行っている間、女性は集団で敵から身を守りながら、木の実などを採集していました。木の実が熟しているかどうかを、色から見極める必要がありました。また、集団内で上手く他の人とコミュニケーションをとったり、子どもの体調の変化に早く気づくために、顔色の細かな変化を見分ける能力が重要だったと考えられます。
男女の役割の違いから、それぞれに必要な能力を身につけてきたわけです。
その能力は、脳の処理能力の違いとして進化したと考えられます。
ニューヨーク市立大学のエイブラモフ教授らの研究によると、 男性と女性の脳を比べると、男性の方が女性よりも、動くものに反応する脳の部分の神経細胞が25%ほど多いそうです。
動くものに反応する脳の神経細胞に影響を与えているのが、男性ホルモンの一つ、テストステロンだとか。このテストステロンが動体視力に関係している可能性があるそうです。
男性の方が、シューティングゲームが上手いのもうなずけますね。
女性は、たくさんの色サンプルの中から微妙な色合いを選ぶことに向いているといえるでしょう。
自分が見ている世界と、パートナーが見ている世界が違う。
同じ海を見ても、男性には青い海、女性にはターコイズやエメラルドといった色として表現されるということです。
このようなことを知っていれば、行き違いが防げそうですね。
下の写真が何色に見えるか、パートナーに聞いてみてください!
空間を通して、世界に愛と輝きを。
幸せはいつも、今、ここから。
高原美由紀
参考文献: Israel Abramov, Color appearance of monochromatic lights, Biology of Sex Differences 3(1):21, 2012,