【空間デザイン心理士®︎プロ5期課題】RIKYUチーム
空間デザイン心理士®︎プロ5期のRIKYUチームの課題をご紹介します。
既存の状況
物件概要
建物 | 木造2階建て3LDK 築年数16年 |
延べ床面積 | 113.79㎡ |
立地 | JR駅より車で5分、徒歩17分 |
周辺環境 | 閑静な住宅地 |
クライアント様の情報
家族構成・年齢
旦那様 59歳 建築資材メーカー工場勤務 生産管理の課長職
奥様 55歳 公務員保健師、管理職
ワンちゃん
趣味・ご要望・ライフスタイル等
- 旦那様:趣味は読書とゴルフ(鏡を見ながらパターの練習をしている)
-
- 緑が見たい
- キッチンが片付いてスペースができたら、キッチンに入ってきて洗い物をするようになった
- 片付いたスッキリした空間が好き
- 豆電球をつけて眠りたい
- 奥様:趣味はお料理、手芸や絵の創作
-
- 編み物、縫物、工作などちまちまといろんな種類を作るのが好き(引っ越す前にはいろいろ作っていた)
- 絵も描きたいが場所がないからやっていない
- 何も考えずに夢中になれるのが創作
- 家がすっきりしたら、無になって制作をしたい(あるものを工夫して作ることが好きだが、使うことにはあまり興味がない。何かに使えるかも…と、とっておくものが多い)
- すぐにササっとやれる場所がいい
- 仕事に追われて過ごしてきて、もっと自分を大事にしようと思うようになった
- 定年まであと5年(明日にでも辞めたい)
- 調理師免許を持っている
- お店をやってみたい(ご実家が飲食店)
- タンスの中に着物が入っている(時間があったら着てみたい)
- 2階主寝室は広すぎる
- 真っ暗にして眠りたい
- ワンちゃん♂
-
- 和室で寝る
- 2Fには行かない
- 朝晩おさんぽ(グッズは玄関に設置)
- 昼間は車で10分の実家に預けている
- 和室こたつテーブル下が隠れ場所
クライアント様それぞれの個人特性
ご夫婦の人間の基本欲求
旦那様:変化欲求
奥様:自己重要感
(LDNメソッドテキストp.24)
ローカスオブコントロール
旦那様:普通(28点)
奥様:普通(31点)
(空間デザイン心理士テキストp.64)
ご夫婦の環境に対する特性
旦那様:視覚スクリーナー、聴覚スクリーナー
- 静かで好きな音楽が流れている感じが好き
- 図書館で勉強するときは、ブースではなくオープンのデスクを選んでいた
奥様:スクリーナー
- 隅っこで背中に壁があるのが落ち着く
- 外の景色が360度広がっていてほしい
(空間デザイン心理士テキストp.61)
ご夫婦の性格特性
お二人とも、外向性、開放性が高く、情緒安定性が低め。
(空間デザイン心理士テキストp.65)
クライアント様それぞれのパーソナルスペース大きさ
LDNメソッド®によるニーズ診断結果ー旦那様ー
クライアントのニーズ診断結果とゴール〜旦那様
- 旦那様が大切にしたい感情ニーズ
-
「楽しい・ワクワク」「活気のある・生き生き」
- ゴール
-
エネルギーの源泉となるのびのびハウス
- ニーズの実現法
-
旦那様にとって理想の住まいとは、「のびのび」できる活力の源となるところです。
旦那様が「楽しい・わくわく」「活気のある・生き生き」、「のんびり・ゆったり・のどか」な感情に満たされていると、奥様と楽しく過ごしたり、近くにお住まいのお母さまとゆっくり過ごす時間を持てたり、誰かのために何かをしたくなるなど、そんな気持ちの余裕が生まれるといった価値を得られます。さらに、お仕事にも元気に行ける、長生きしよう!という意欲も湧いてきます。
そのために必要なのは、
奥様と一緒に立てるキッチンや、広くて明るいリビング、それぞれが趣味に打ち込めるスペース。旦那様にとっては、ゴルフの練習ができること、読書ができること。そして、緑が見える空間で、片付いた状態が保てていると、気持ちが落ち着き、奥様や周りの人に優しく接することができるようです。
LDNメソッド®によるニーズ診断結果ー奥様ー
クライアントのニーズ診断結果とゴール〜奥様
- 奥様が大切にしたい感情ニーズ
-
「楽しい・ワクワク」「活気のある・生き生き」「安心・安らぎ」
- ニーズの実現法
-
奥様にとって理想の住まいとは、「種をまく畑の土壌のように、人生の土台となるもの」です。
奥様が「楽しい・わくわく」「活気のある・生き生き」「安心・安らぎ」の感情に満たされていると、「安心や安らぎを人と共有し、みんなに元気を分けたくなる」「何かをみんなに教えたくなる」「元気が湧いてくる」「旦那さんとの仲が深まる」といった価値を得ることができます。そのためには、下記が大切です。
- 仕事で疲れて帰ってきてもリセットされるように、リラックスできること
- 家族や友人と楽しく過ごせる空間であること
- 住まいが安心安全であること
- 整っていて美しいこと
リラックスできる空間であるためには、視覚的・触覚的に癒しを感じられるようなインテリアであること、家族や友人、特に旦那様と楽しく毎日を過ごすためには、落ち着けるリビングや、それぞれが趣味のできる部屋が必要です。奥様は、安心安全を感じつつ、外の景色が見えるようなオープンなところで、手芸や絵といった創作に打ちこむことができます。そして、整っていて美しい空間であるためには、いらないものを手放して片付けるだけでなく、片づけなくてはいけないというストレスから解放されること、動きやすい動線や感覚的に使いやすい収納が必要です。
ご夫婦のニーズ
お二人が大切にしたい感情ニーズ:
『活気ある・イキイキ』『楽しい・ワクワク』『のんびり・ゆったり』『安心・安らぎ』
LDNメソッド™によるヒアリングの結果から、ご夫婦が住まいで感じたい感情は「活気がある・イキイキ」「楽しい・ワクワク」が共通していました。
旦那様は「のんびり・ゆったり」、奥様は「安心・安らぎ」を求められていました。
改善案のゴールーコンセプトー
癒しの”のびのびハウス”
〜無理なく暮らせて、
ストレスのない住まい〜
- 自然と整う仕掛けとごそ収納
- 癒しを感じる空間
- それぞれが好きなことのできる居心地の良いスペース
これらをつくることで、お二人のニーズを満たす空間づくりを叶えます。
空間デザイン心理学®︎から考える提案の前提としてお伝えしたこと
- 動物と人間に共通している
-
人間も動物であり、「痛みを避け、快感を得る」という共通の原理をもっている。
例:暖かいところに行く
外部からの視線を遮りたい
壁を背にして安心感を得る動物は「片付けない」のがスタンダード‼
- 個人の特性は人によって異なる(=個性)
-
片付けてもいいし、片付けなくてもいい。
「整っていて美しい」ことが「癒し」につながる→改善策を考える
改善案の3つのポイント
- ①自然に整う仕掛けと、「ごそ収納」
-
使い勝手だけでなく、無理なく生活できるために必要な二種類の収納
- 自然に整う仕掛け・・・動線を考慮し、使いやすく、用途の決まった収納
- 「ごそ収納」・・・日々の「片づけなくちゃ!」というストレスを減らし「とりあえずごそっと」
そこに入れれば良く、たまったら1年に1度くらい整理すればOK!という収納
- ②癒しを感じる空間
-
リビングの居心地をよくするために
- 動線を考慮した家具の配置
- 視覚から感じる癒し
- ③それぞれが好きなことをできる居心地の良いスペース
-
2階スペースを、思わず行きたくなる「わくわく」できるような居心地のよい空間にする
帰宅後の夫婦の動線と行動
提案プラン 1F
After
玄関ホール
Before
玄関を入ると、物が多くゴルフバックに目が行く
After
- ゴルフバックを、玄関入ってすぐ左の死角に配置
➡視界に入らずすっきりとする - スリッパ収納を兼ねたベンチを設置
➡家具の数を減らしてすっきりとさせる
玄関の扉を開けた時
目に入るものを減らして
スッキリ広く片付いた印象に!
Before
細々とした雑貨たちが置かれ情報が多く、強弱がないため、雑多な印象を与える
After
コンソールチェストとランプを設置
小さな小物たちをまとめ、光で一つのまとまった美しい図に
玄関に入ったときの視線を
集めてスッキリと印象良く!
(フォーカルポイント)
玄関まわりの収納
リビングのドアを開けると
人の視野の特徴を活かして
ウォールグリーンに視線を集め
視覚から植物に癒しの印象を強める
リビング・和室
「安心・安らぎ」
「のんびり・ゆったり・のどか」の
感情を満たす仕組み
バーカウンターでコミュニケーションが生まれる空間
奥様の好きな料理をお客様を通して
コミニュケーションが生まれる場
「楽しい・ワクワク」「活気のある・生き生き」の感情を満たす仕組み
散らかりにくく、ストレスのないリビング収納
人が無意識に収納しやすい、自分で管理できる「これ」領域に
収納を配置して、散らかりにくくする
「ごそ」っとしまえる収納で、日々の”片づけられない”ストレス軽減
和室〜支度部屋
サニタリールーム
Before
入口正面に洗面台スチールラックの雑多な様子が鏡に映り込み2倍の量に見える
After
提案プラン 2F
Before
After
2Fホール
2Fフリールーム
2F奥様の趣味室
奥様が行きたくなる、楽しくて、
創作意欲がわく、
片付けのプレッシャーのない空間!
2F主寝室
クライアント様 アンケート
旦那様
- これまで、その空間でのお悩み解決したいことは何でしたか。
-
雑然と感じる空間
- ヒアリングを受けてみて、良かったことや気づきがありましたら教えてください。
-
もっと良くしたいなぁーと思いつつ、見て見ぬふりをして窮屈に過ごしていたこと。
- 空間デザイン心理学®を活用した空間提案を受けて、良かったことや気づきがありましたら教えてください。
-
自分では気づくことができない空間の使い方で気持ちよく過ごすことができること感じました。
- もしご友人にご紹介頂けるとしたら、何と言ってご紹介されますか。
-
今の自分が住みたい家になるよ
- ほかにご感想、ご意見などございましたらお聞かせください。
-
感謝感動。
男 50代 会社員 イニシャルOK
奥様
- これまで、その空間でのお悩み解決したいことは何でしたか。
-
いろいろなものがぐちゃぐちゃになっていて脳がとても疲れていました。素敵に暮らしたいと思って一部分変えてもすぐ元に戻ってしまいもうどうでもいいやとなってしまっていました。収納を増やせば増やすほどごちゃごちゃになっていくこの悪循環。何とかすっきり暮らしたいそんな思いが募っていました。
- LDNメソッド®のヒアリングを受けてみて、良かったことや気づきがありましたら教えてください。
-
知らない自分に気づいたり、自分のなんとなく思っていたことを明確にしてもらえました。例えば、自分がどんな風に暮らしたいのかやどんな暮らしが気持ちいいのかなど。
- 空間デザイン心理学®を活用した空間提案を受けて、良かったことや気づきがありましたら教えてください。
-
自分では思いつかない配置に感動しました。何故ごちゃごちゃになるかわかりました。自分の理想や行動に合ってなかったと感じました。
- もしご友人にご紹介頂けるとしたら、何と言ってご紹介されますか。
-
理想の生活や人間関係が手に入るわよ♡
- ほかにご感想、ご意見などございましたらお聞かせください。
-
忙しい中みんなで我が家のことを真剣に考えてくださり、プレゼンでは感動してうるうるしてしまいました。とても自分では考えられない配置で、そして理想に近づき感動しております。ありがとうございます。これからもよろしくお願いしたいところです。
女 50代 会社員 イニシャルOK
参考文献リスト
- LDNメソッド®テキスト ©2021(一社)空間デザイン心理学協会
- 空間デザイン心理士®テキスト ©2021(一社)空間デザイン心理学協会
- 空間デザイン心理士®テキスト ©2021(一社)空間デザイン心理学協会
協会からのあとがき
クライアント様、課題にご協力いただきましたこと、心より感謝申し上げます。
この課題は、片付け収納がお得意の海藻明代さんと、ご主人を説得してこの講座に飛び込まれた佐山真帆さんの2名の5期生と、再受講された先輩2名の4名のチームで作成されたものです。4名のキャラクターや得意なことが、チームのお互いの良さを引き出して、素晴らしいチームワークを発揮され、片付けが苦手なクライアント様の新しい暮らしの提案をされました。
ご提案時にはクライアント様が感動して涙ぐまれるほど、クライアントに寄り添われ、ご自身では思い付かないような明るい未来を描けるプランになりました!
個人特性のパーソナル居心地診断®️やニーズヒアリングは、オンラインで行えるのはもちろんのこと、間取り相談も写真をいただいたり、お部屋を携帯で写していただいたりすることで、オンラインで行えます。そのため、どなたでも地域に関係なくご相談できます。
ぜひ、チームメンバーにコンタクトしてみてください。きっと、ご自身では考えつかないような幸せな未来の暮らしをご提案いただけると思います。
メンバーそれぞれの得意なことやお仕事のご依頼は、下記の名前をクリックして、各資格者ページでご確認お願いします。
海藻明代さん、佐山真帆さん、特別協力:2期 竹本稚子さん、4期 藤村泰子さん