AI時代に建築士・インテリアコーディネーターにしかできない仕事とは?

お客様の要望を形にするだけで、本当に幸せになれるのでしょうか
AIの進化によって、建築やインテリアの仕事は大きく変わり始めています。
間取り案の作成、3Dパース、インテリアイメージの提案など、これまで専門家が時間をかけて行ってきた作業の一部を、AIが短時間で可視化できる時代になりました。
では、これからの建築士やインテリアコーディネーターにしかできない仕事とは、何でしょうか。
建築士やインテリアコーディネーターにしかできない仕事は、お客様が口にした要望を、そのまま形にすることだけではありません。
その要望の奥にある、まだ言葉になっていない願いや深層ニーズを丁寧に引き出し、心理や行動、家族関係、将来の生き方まで踏まえて、その人に適した環境を根拠を持って提案することです。
AIは、間取り案やパースを短時間で作成できます。しかし、「この人にとって、どのような環境が本当に幸せにつながるのか」を対話によって見極め、本人が納得できる選択を支援することは、これからの専門家にとって、ますます重要な役割になるでしょう。
事例:「サロンをつくりたい」というお客様
実際に、本講座の受講生が取り組んでいる事例をご紹介します。
お客様は、まもなく成人を迎える息子さんと二人で暮らす女性です。
その方は、
・自宅にサロンをつくりたい
・人を招いておもてなしをしたい
・人が集まる家にしたい
と希望されていました。
昔の私なら、ご要望をそのまま形にすることを考えたでしょう。
これまでは、お客様のご要望を丁寧に伺い、それを形にすることが、建築士やインテリアコーディネーターの大切な役割とされてきました。もちろん、それは専門家にとって大切な姿勢です。
しかし、空間デザイン心理学®では、ここからさらに対話を深めていきます。
私たちは、その人の要望の奥にある想い、つまり深層ニーズを引き出す、LDNメソッド®という独自のヒアリング法を用いています。
本当に欲しかったのはサロンではありませんでした
LDNメソッド®を用いて丁寧に対話を重ねていくと、「サロンをつくりたい」という要望の奥に、
・人とのつながりを感じたい
・愛され、認められていると感じたい
・自分に自信を持ちたい
という願いがあることが見えてきました。
つまり、サロンは目的そのものではなく、その方が望む人生を実現するための一つの手段だったのです。
要望を叶えることが、幸せとは限らない
ここで、少し考えてみましょう。
もし、ご要望どおりに立派なサロンをつくり、人を招き、誰かのために尽くす生活が始まったら、その方は本当に幸せになるのでしょうか。
もしかすると、「もっと人を喜ばせなければ」「もっと頑張らなければ」という生き方になってしまう可能性もあります。もちろん、サロンをつくること自体がよくないわけではありません。
大切なのは、そのサロンが、その方の人生を本当に支える空間になるかどうかです。
私たちは、お子さんが独立した後の暮らし、家族との時間、これからどのような生き方を望んでいるのかまで含めて、その方にとっての幸せとは何かを一緒に考えていきます。
そのうえで、サロンをつくるのか、別の形で人とのつながりを育むのか。
空間だけではなく、生き方全体を見渡しながら選択肢を検討していくのです。
AIだけでは難しい、専門家だからこそできること
AIは、間取り案やインテリアイメージ、3Dパースなど、複数のアイデアを短時間で可視化することを得意としています。でも、
「この人にとって、本当に幸せにつながる選択は何か」
を考えるためには、表面的な要望だけではなく、その人の人生背景、価値観、家族関係、心理状態、行動の傾向まで、丁寧に読み取る必要があります。
だからこそ、AI時代の専門家には、知識量だけではなく、
・人を深く理解する力
・言葉になっていない願いを引き出す力
・複数の情報を統合して考える力
・「この方には、こちらが合う」と根拠を持って説明する力
が、これまで以上に求められます。
空間デザイン心理学®は、住まいを設計するためだけの知識ではありません。
人を深く理解し、その人の人生や価値観、心理状態まで考えながら、
「この方には、どのような環境が最も適しているのか」を見いだすための理論と実践です。
AI時代に、建築士やインテリアコーディネーターの仕事がなくなるのではありません。
むしろ、図面やパースをつくる技術だけではなく、その人を深く理解する力が、これまで以上に問われる時代になるのだと思います。
お客様が言葉にされた要望を、そのまま形にするだけではなく、その奥にある願いに耳を澄ませること。
そして、心理学や行動科学、建築や空間デザインの知見を統合しながら、その方が自分らしく、より幸せに生きられる環境を提案すること。
空間をつくることは、単に美しい部屋をつくることではありません。
その人が輝き、成長し、命を存分に生きることのできる環境をつくることです。
それこそが、AI時代における建築士やインテリアコーディネーターの大切な役割ではないでしょうか。
よくあるご質問
- AI時代にも、建築士やインテリアコーディネーターは必要ですか?
-
必要です。AIは間取り案やパースを短時間で作成できますが、その人の心理、人生背景、家族関係、価値観まで踏まえて、どのような環境が適しているかを判断し、提案することは専門家の重要な役割です。
- 建築士やインテリアコーディネーターにしかできない仕事は何ですか?
-
お客様の言葉になっていないニーズまで丁寧に引き出し、その人の特性や行動・心理パターンから、空間が与える影響を考えながら、その人に適した環境を根拠を持って提案することです。
- AIに代替されにくい建築・インテリアの仕事は何ですか?
-
対話を通してお客様を深く理解し、複数の条件や将来の生き方まで統合して判断する仕事です。図面やパースをつくる作業だけでなく、「何をつくるべきか」を見極める力が重要です。
空間デザイン心理学®を学べる講座の10期生募集がまもなく始まります。
ご興味のある方は、体験講座(2時間)にお越しください。
詳細はこちらから【体験講座ご案内ページ】












