リビングのレイアウト、ソファの配置のポイントは?

リビングで、なんだか落ち着かない、ソファや家具のレイアウトってこれでいいの?どうしたらいいの?とお考えの方へ。

こんにちは、空間デザイン心理士®プロ、一級建築士の高原美由紀です。
ストレスが減って、家族の関係まで良くなっちゃう家具の配置のコツをお伝えします。

まずは、実際にあった「落ち着かない」というお客様のお話をさせていただきますね。

目次

実例:高級マンションでおしゃれな輸入家具を買った。でもなぜか落ち着かない。

ある日、都心の高級マンションを買って、おしゃれな輸入家具のソファやダイニングセットをご自分で揃えたというお客様からご連絡がありました。

「この家を買って半年以上住んでいますが、なぜかどうしても落ち着かないのです。
収納を買った方がいいのか、リフォームした方がいいのか・・・・。
とにかく一度見に来てもらえませんか。」

お伺いした場所は、20帖以上ある大きなリビングから東京タワーが正面に見える豪華なマンションの一室でした。

玄関からリビングに入り、お部屋の中を見回して・・・・。

すぐに落ち着かない理由がピンときました!


そして、お客様におたずねしました。


「ご主人は、お食事の時どこに座られますか?」



すると案の定、「ソファでテレビを見ながらです」とのこと。


「奥様は、どちらでお食事されますか?」



「ダイニングのこの席です。」と言って、ダイニングのキッチン側にある椅子を指さしました。


やっぱり・・・。



「これは、リフォームしなくても、レイアウトを変えるだけでかなり変わりますよ!今から家具を動かしてみましょう!!」



すぐに奥様と2人で、ソファとテレビ台、ダイニングセットの位置や向きを動かし始めました。


そして、家具のレイアウト変更が終わって、お部屋を改めてながめた奥様は、


「わあ〜〜!ぜんぜん違う〜別の部屋みたい〜!!
うちって、こんなに広かったんですね〜〜〜。すご〜い。」と感嘆の声が。



「とにかく、これで少し暮らしてみてください。」

そう言って、その日は終わりました。



その後、2〜3週間ほどしてメールが届きます。


「先日はありがとうございました。実は、あれから、この家に来て初めて、夫と一緒にソファでテレビを観るようになりました。

それに、最近、夫がダイニングで食事するようになっています。

レイアウトを変えただけなのに、こんなに違うんですね。驚きました。

いつのまにかストレスが減って、やっとこの家で落ち着ける感じがしています。

どうもありがとうございました。」

なぜ、レイアウトを変えるだけで、夫の行動が変わり、ストレスが減ったのか?

その理由は、3つの配置の問題点を改善したからです。
一つ一つ問題点と配置のポイントを見ていきましょう。

問題点1.座ると動きたくなくなる向きにソファが配置されている

当初、大きなL型のソファは、リビングダイニングの入り口とダイニングに背を向けるような配置担っていました。

つまり、ソファに一旦座ると、動くのがめんどうになる配置だったのです。

そのため、ご主人は、帰ってきてすぐにソファに座ると、もうダイニングに行く気になれず、テレビを見ながら食事をとるということが起きていました。

つまり、ポイントは、ソファに座った後、動きやすい配置にすることです。


問題点2.ダイニングに背を向けてソファが配置されている

さらに、ソファが、キッチンやダイニング背を向けていると、ソファに座るご主人とキッチンやダイニングにいる奥様との会話がしにくくなります。

奥様は、ソファに座るご主人に食事を運んだり、キッチンに物を取りに行ったりと行き来する必要がありました。

だから、ソファとキッチンの中間にあるダイニングの椅子を拠点にしていました。

そうすると、テレビを見ながら食事をするご主人から取り残されて、まるで給仕のようになっていました。

つまり、ポイントは、ソファは、ダイニングにいる家族と会話しやすい位置にすることなのです。


問題点3.座る場所の前に見たくない景色がある

実は、この家族には2歳半になるお子さんがいらっしゃいました。

そして、ダイニングの正面には、今では使わなくなった赤やオレンジ、黄色のプラスチック製の子供用のチャイルドサークル(遊び場)が置かれていました。

そのサークルの中には、たくさんの色鮮やかなおもちゃが雑然と山のように放置されていたのです。

ご主人にとって、この景色は疲れて帰ってきた後に見たくないものだったのです。

つまり、ポイントは、座る場所の目の前は、見たいもの、見て楽しい景色にすることなのです。

リビングのレイアウト、ソファの配置が家族関係に影響する

これらの3つのポイントにそって、家具の配置を変えただけですが、ご主人は無意識にダイニングで食事するようになり、夫婦の会話が増えるということが起きました。

その結果、奥様のストレスが減って、落ち着く部屋と感じられるようになったわけです。


リビングダイニングのレイアウトは、そこに住む家族の日々の行動や会話のしやすさに大きく影響しているのです。

毎日の小さなストレスが積み重なって大きくなる前に、一度お住いのレイアウトを見直してみてくださいね!

ポイント

  • 高級マンションやおしゃれな輸入家具を買ったからといって落ち着くわけではない。
  • リビングのレイアウト、ソファの配置を変えるだけで、家族が仲良くなる。ストレスが減る。
  • ソファは、座った後に動きやすい配置にする。
  • ソファは、ダイニングにいる家族と会話しやすい位置にする。
  • 座る場所の目の前は、見たいもの、見て楽しい景色にする。
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