広島ホームテレビに出演。家族の会話を深める工夫とは?を解説
こんにちは。空間デザイン心理学協会代表の高原美由紀です。
このたび、広島ホームテレビの「ビタニュー」に出演し、「家具の配置が家族の会話に与える影響」についてお話しました。
このテーマは、私が長年研究を続けている空間デザイン心理学の重要な課題の一つです。
番組の内容は、広島テレビの公式youtubeに公開されています。ぜひご覧いただき、家族間のコミュニケーションを見直す参考にしていただければと思います。
【広島ホームテレビYouTube】
広島ホームテレビyoutube「家族で会話はどれくらい?」時代の変化とともに減少傾向…|家具の配置で変わるという調査結果も
この記事では、番組内でお話しした内容に補足しながら、家族の会話を自然に増やすための空間づくりについてご紹介します。
家族の会話が減少している現代の課題
現代では、共働きの増加やスマートフォン・タブレットの普及により、家族間の会話が減少していると言われています。番組内でも紹介されたように、こうした変化は「家庭」という空間の在り方を見直す必要性を私たちに示しています。
特に、子どもにとって親との会話は非常に重要です。安田女子大学の五十嵐亮准教授が番組で述べていた通り、親子の対話は「言葉の発達」「情緒の安定」「自己肯定感の向上」に大きな影響を与えます。
しかし、「改めて話そう」と意識しても、忙しい日常の中でそれを実現するのは簡単ではありません。そこで、「自然に会話が生まれる仕掛け」が鍵になると考えられます。
家族の会話を増やす工夫
番組では、あるご家庭のリビングを例に挙げ、家具配置を少し変えるだけで会話が増える可能性についてお話ししました。そのポイントをご紹介します。
家具配置のポイント1 : 視線を交わりやすくする
家族同士が自然と視野に入る家具配置を心掛けましょう。
人の視野は約60度です。この範囲内に家族の顔が収まるよう家具を配置することで、話しかけやすく、自然な会話が生まれやすくなります。
具体例:
・ソファやテレビ台の向きを回転させて変える。
・折りたたみ椅子などを追加して、キッチンに立つ人とリビングで過ごす家族の視線が合いやすくする。
家具配置のポイント2 : 適切な距離を保つ
家族が座る位置が直径3~3.5メートルの円内に収まるようにしましょう。
この距離感は、お互いが心地よく声を掛け合える範囲とされています。逆に、離れすぎると声のトーンが強くなり、相手に対する印象が変わることがあります。
例えば、「ごはんだよ」という呼びかけも、近距離では穏やかに伝えられるのに対し、遠距離だと語気が強くなり、きつく聞こえることがあるのです。この距離を意識することで、より柔らかく親しみやすいコミュニケーションが実現します。
会話が増える空間づくりの効果
家具の配置を工夫することで、短い時間でも顔を見ながら会話がしやすくなり、家族全員が気持ちを共有できる感覚を持てるようになります。その結果、家族の絆がより深まるでしょう。
最後に
家具の配置を少し変えるだけで、家族の会話の質と量が驚くほど変わる可能性があります。この年末の片付けや掃除のタイミングで、ご家庭の空間を見直してみてはいかがでしょうか?
家族が自然と向き合い、会話を楽しめる空間づくりは、日々の暮らしをより豊かにしてくれるはずです。皆さまのご家庭が、笑顔と会話にあふれる場となりますよう願っています。